建築確認書とは?確認済証を受ける流れや紛失した場合の対処法を解説

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家の購入や売却時、住宅ローンを組む際に必要となる「建築確認書」という書類についてご存じですか?

家の売買で提示を求められたり、逆に受け取ったりするこの書類が、どのような意味を持っているのか詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。

今回はそんなあなたに向けて、建築確認書についてを徹底解説。

一体どんな意味を持つ書類なのか、どのような場面で必要となるのか等をご紹介していきます。

これから家を買いたい・売りたいと考えている人は必見ですよ。

目次

建築確認書に関する基礎知識

家の売買に関する書類は種類が多いうえ、どれも重要なものばかりですよね。

それぞれの書類がどんな意味を持つのか、いまいち把握しきれないこともしばしばあります。

今回はその中でも建築確認書にフォーカスしていきましょう。

家を購入した後でも必要になるケースもある重要な書類ですので、関連する手続きと併せて詳しく解説していきます。

建築確認通知書(建築確認済証)とは

建築確認通知書は「建築確認済証」とも呼ばれる、建築の安全性等の確認作業が終了していることを証明するための書類です。

家を建てるには建築基準法や各自治体の条例に従って建設をする必要があり、建築物が定められたルールに則っているかを確認します。

建築確認の大まかな流れがこちらです。

  1. 建築確認の申し込み
  2. 自治体等による書類の確認
  3. 建築確認済証を交付される
  4. 工事開始
  5. 工事完了後、完了審査を申請する
  6. 完了検査後に検査済証が交付される

確認が完了して問題がなければ建築確認済証が交付され、工事に取り掛かることが可能となります。

確認は着工前の書類での段階と、工事完了後の現物調査の2度にわたって実施することが義務付けられているのです。

1回目の確認では建築確認済証、2回目の工事完了後の確認では検査済証が交付されます。

例外として、3階建て以上や鉄筋造り等の条件を満たす建築物では、3回確認をすることもあります。

この建築確認は家の建設だけでなく、10㎡以上の規模の増築を行なう際にも必要です。

リフォームや車庫・プレハブなどの建設も、上記の条件に当てはまる際は建築確認を行なわなければいけないので覚えておきましょう。

建築確認申請書とは

建築確認を申請する際に提出する書類のことを「建築確認申請書」といいます。

建築確認申請書は簡単に言うと、設計図のようなものです。

「こんな家をこのように建てるので、規則通りの設計となっているか確認してください」という意味合いをもちます。

この申請は建築士が代理で申請してくれるのが一般的です。

検査機関に建築確認申請書を提出し、問題がなければ建築確認済証が交付されます。

建築確認済証が交付されれば、工事に取り掛かることが可能です。

検査済証とは

「検査済証」とは、家が建った後に行なわれる2回目の確認作業をクリアした際に受け取る書類です。

前述でご説明した建築確認済証と混同しがちですが、こちらは1回目の確認作業で交付されます。

交付の流れとしては、まず工事が完了したことを検査機関へと申請。

その後、工事前に提出した申請書通りに家が建てられているかを担当者が現地まで来て確認をし、問題がなければ検査済証の交付となります。

検査済証が交付されると入居をすることが可能です。

建築確認書の見本

建築確認書に関連する書類を東京都が発行している書面を例に見ていきましょう。

○建築確認申請書の一部


画像提供元/東京都市整備局

画像提供元/東京都市整備局

こちらは建築確認申請書のごく一部で、土地に対して建物がどのくらいの大きさになるか、敷地面積はどの程度か等を記入する欄があることが分かります。

○シックハウスに関する申請書の一部


画像提供元/東京都市整備局

こちらは住民の健康被害に関わるシックハウス症候群を防止するための確認申請書です。

高気密で高断熱な住宅ほど、換気が行なわれにくくなり体調不良を起こす原因になることがあります。

これを予防するために、シックハウスに関連するチェック項目が設けられているのです。

○建築確認通知書(建築確認済証)


画像提供元/ソニー銀行

書類上での確認が全て完了したときに交付されるのがこのような建築確認済証です。

先でご紹介した建築確認申請書はほんの一部で、他にも提出内容はたくさんあります。

建築確認通知書は再発行できない

家が建った後で建築確認通知書は住人の手に渡りますが、提出を求められることもあるため大切に保管をしておく必要があります。

もしも建築確認通知書を紛失した場合、再発行をすることはできません。

失くしてしまったにもかかわらず提出を求められたときは、代わりの書類を用意する必要があり、手間がかかってしまいます。

家を所有している間はずっと保管をし続けることになるので、失くさないようにしましょう。

建築確認通知書(建築確認済証)の提出が必要となるケース

家が完成した後でも必要になることがある建築確認通知書は、どのような場面で提出が求められるのでしょうか。

建築確認通知書が主に必要となるのはこちらの3パターンです。

  • 不動産を売却するとき
  • 住宅ローンを申請するとき
  • 家を増改築するとき

家の購入や売却をするとき、手を加えるとき等で建築確認通知書は必要になります。

この3つの場面について、詳しくみていきましょう。

不動産の売却

家を売る際に、法律に則って建てた安全性のある家だということを証明するために建築確認通知書が必要です。

また、不動産会社によっては物件をいくらほどで売りに出せるのかを査定する際に建築確認通知書を参考にする場合も。

売りに出した物件の購入が決まったら、次の所有者の手に建築確認通知書がわたります。

万が一建築確認通知書を失くしてしまっても、家を売ることは可能です。

各自治体で不動産売却時に必要な情報を閲覧したり、建築確認通知書の代用となる書類を発行したりして対応できます。

建築確認通知書の紛失時のケースについては、後述で詳しく説明していますので参考にしてください。

住宅ローンの申請

住宅ローンを提供する側の金融機関では、ローンで借し出した金額を回収できなかったときのために建築物を担保に設定します。

そのため、担保にする建築物の価値を見出すためにも、建築確認書の提出が求められるのです。

必要となる書類は金融機関によって若干の違いはありますが、基本的には以下のものが求められます。

  • 建築確通知書
  • 検査済証
  • 建築確認申請書

家の購入や建設では住宅ローンを利用する人が多いはずですので、各書類は受け取ったら大切に保管しましょう。

家の増改築

家の増築や改築でも建築確認書が必要となることがあります。

こちらは工事の規模や内容によっては提出が不要となる場合も。

リフォーム・リノベーションを検討しているときは施工会社に確認してみましょう。

建築確認済証をもらってない・紛失した場合の対処法

建築確認済証は、長い間保管をするケースがほとんどだと思うので、紛失してしまうこともあり得るでしょう。

再発行をすることは不可能ですが、これらの方法で代用できるケースがあります。

  • 建築計画概要書の確認
  • 台帳記載事項証明書の発行
  • 指定確認検査機関からの審査を受ける

上記それぞれの代用方法について詳しく解説していきます。

建築計画概要書を確認する

建築計画概要書は、建築に際する検査履歴や建築の概要が記載されている書類です。

建物の調査で必要になる建築確認番号や取得年月日、検査番号等が記載されています。

こちらの書類を各自治体で発行してもらい、建築確認済証の代わりとして提出できる場合があります。

建築計画概要書は建築指導窓口などで閲覧や発行の申請が可能ですが、その方法は自治体によって様々です。

発行したい場合は窓口へ問い合わせてみましょう。

台帳記載事項証明書を発行する

台帳記載事項証明書とは、建築確認通知書と検査済証の内容が記録されている書類のことをいいます。

この証明書を発行するには以下の情報や書類が必要です。

  • 申請者の氏名
  • 建築主の本人確認書類
  • 建築された当時の地名、地番
  • 建築時の建築主の氏名、建築確認番号、建築確認年月日、階層
  • 売買契約書、委任状、登記事項証明書のコピー

台帳記載事項証明書は各自治体の建築指導窓口にて申請と発行が可能です。

申請する際には上記の必要情報を準備しておきましょう。

指定確認検査機関による審査を受ける

中古の建物を購入した際に、建築確認済証や検査済証をもらえないケースがあります。

前の所有者が紛失している場合や、古い建物だと検査済証の交付をそもそも受けていないことがあるからです。

元から検査済証がない古い建物はたびたび存在するので、救済措置として指定確認検査機関に建物の調査を依頼できる措置が設けられています。

調査を実施後は、内容を報告書としてまとめてくれるので、これにより建物の安全性が証明されるわけです。

もしも建築確認書がない場合はこの制度を利用すると良いでしょう。

建築確認申請書の取得方法

指定確認検査機関へ建築確認の依頼をする際に必要となる申請書は、いつどこでもらえるのでしょうか。

取得の仕方と、もらえるタイミングについてをご紹介していきます。

建築確認申請書はどこでもらえる?

申請書は各自治体のホームページから各書類をファイルでダウンロードをすることが可能です。

建築確認申請書の手続きは、建築士等の建物の設計や建設に関わる人が代理で申請を行いますので、基本的に任せておいて問題ありません。

申請は自治体や民間の指定確認検査機関へ提出することで完了し、問題がなければ建築確認済証が交付されます。

建築確認申請書はいつもらえる?

建築確認申請書は、確認審査クリア後に建築会社へと副本が返却されます。

工事が完成するまでの間は建築会社が保管をしているのが通常です。

建築物を引き渡すタイミングで建築確認通知書等と併せて受け取ります。

建築確認通知書(建築確認済証)はいつもらえる?

建築確認通知書は木造2階建て以下の戸建て住宅の場合、申請後に問題がなければ7日以内に交付されるのが一般的

ただ、木造3階建て以上の住宅では、追加で設備図や構造計画書の提出が必要です。

これらの書類を発行するためには審査を要するので、建築確認通知書が交付となる期間は35日以内に延びます。

また、書類に不備がある場合は訂正等を要求され、その分交付までの期間が長くなることもあるので注意が必要です。

建築確認書に関するよくある質問

ここまでご紹介した内容以外で、建築確認書についての質問を集めてみました。

  • 火災保険申し込み時に建築確認書は必要なのか
  • 設定長期優良住宅証明書とはどんな書類か

上記2つの質問に回答していきます。

火災保険の申し込みに建築確認書は必要?

火災保険を申し込む際に建築確認書は必要です。

建築確認書を基に、耐火性能を参考にしたり建物の構造についてをチェックしたりします。

他にも、確認通知書や検査済証等住宅に関連する書類が多数必要となるので、申し込む前に必要書類の確認をしておきましょう。

認定長期優良住宅建築証明書とは?

長い期間を安心・安全・快適に暮らせるように配慮して建てられた住宅を長期優良住宅と呼びます。

長期優良住宅への認定は、劣化への十分な対策や高い耐震性、省エネルギー等それぞれ定められた基準をクリアしていることが条件。

そしてその認定を受けていることを証明できる書類が「認定長期優良住宅建築証明書」です。

着工前に各自治体へ申請をし、定められた基準で住宅を建設することで長期優良住宅に認定されます。

住宅の財産価値の高さを証明できる書類となっています。

建築確認書まとめ

  • 建築確認書は安全な建物であることを証明する書類
  • 各自治体へ建築確認申請書を提出することで確認審査を受けられる
  • 建築確認通知書は家に関わる手続きの際に必要となるケースが多いので大切に保管しておく必要がある
  • 建築確認通知書を紛失すると再発行ができないので、代替書類の発行手続きが必要となる

今回は建築確認書について、書類が持つ意味や交付の流れ等をご紹介しました。

私たちが安全な建物で暮らせるのは、しっかりとした確認作業が行なわれているからです。

建築確認書はそれを証明する大事な書類となりますので、家を建てた後でもきちんと保管をしておきましょう。

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